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2.寝台特急「あけぼの」

寝台特急「あけぼの」

写真:上野での「あけぼの」
よく見ると、外壁が朽ちてボロボロなのがわかる


 こどものときの些細な夢の1つ、ブルートレインに乗るという夢を果たすときがやっときた。それまでブルートレインに乗ることがなかった理由は、高校生のときまでは機会がなかったから、大学生以降は料金が高いから、であった。確かに、寝台が付いた列車には乗ったことがある。でも、「だいせん」や「サンライズ瀬戸」に乗ったときは寝台を利用しなかったし、そもそもこれらの列車はブルートレインではない。

 今回乗った寝台特急「あけぼの」は、上野から上越、羽越、奥羽線経由で遠回りして青森に行く。編成は、通常は12両だが、この日はオフシーズンの平日ということで8両だった(どうも8両の方が通常のようだが)。最近の利用者の好みから、個室の割合が多い。ただ、B個室はかなり狭く、狭所恐怖症の人は死んでしまうかもしれない。僕が利用した普通のB寝台のベッドも狭いが、個室ほど狭苦しさは感じなかった。それでも、寝台車に乗って1番目の感想は狭いなぁだった。まぁ、列車なのだから仕方ないのだが。

 ブルートレイン離れが言われてから久しいが、この日の「あけぼの」は寝台の約半分が埋まっていた。オフシーズンの平日にしてはまずまずだろうか(両数を減らしているんだけど)。

 「あけぼの」は上野を21時41分に出発した。車内には何もないので、早くも寝入る人が大勢いた。僕は、しばらくは柿ピーをつまみにカップ酒を飲みながら真っ暗な車窓を眺めていたが、高崎出発後(23時半頃)にベットに入った。

 次の日、6時頃に起きた。その前に何度か目が覚めたが、寝心地はまずまずだった。まだ寝ていてもよかったが、起きて外を眺めていた。

 秋田から始まった車内販売で買った弁当で朝食を取った。秋田訛りの車内販売のおねえさんはけっこう美人だった。秋田小町とはよく言ったものだ。また、僕の近くの寝台を利用した津軽訛り(かなりのレベル)のおばちゃんたちはかなりやかましかった。こうした訛りなどからも旅情を感じるものだ。

 外を眺めていると、車窓一面に収穫間近の田んぼが見えた。それは、まるで黄金を降りかけたような光景だった。奥羽線の車窓はこの時期が1番だと思う。この時期に夏休みで良かったと思えた一瞬だった。

 弘前の1つ手前の大鰐温泉で家族連れが乗ってきた(「あけぼの」は秋田〜青森は寝台券なしで乗れるのだ)。その小学生低学年くらいの子どもは、この寝台車に乗ってまずボロイなぁと言った。リニューアルされている車両もあるが、僕が利用した車両は造られた当時(1965年〜75年くらい)のままで、ボロイというのもわかる。僕は、車内はまだマシな方で、外の壁は朽ちてボロボロになっていて、一応その上から塗装されてはいるが、痛々しく感じる。何年も日本海の荒波を受けても果敢に走ってきた証拠なのだが…。もう30年近く経つのだから、そろそろ新しい客車を造る必要があるのではなかろうか。この「あけぼの」に使われている24系客車の後新規に造られた寝台車はサンライズエクスプレス7両×6編成と「カシオペア」で使われている客車12両×1編成だけである。新しい寝台車を造ることはブルートレイン離れを引き止める1つの手段ではなかろうか。

 あと、ブルートレインに対しての要望といえば、ベッド代(寝台料金)をもう少し安くすることである。1番安いB寝台でも6,300円もする。ベッド代だけでビジネスホテル並みの価格である。それだけではなく、特急券と運賃も払わなければならず、この値段の高さがブルートレイン離れの大きな要因となっている。夜行高速バスならブルートレインの半額程度で利用することができるのだから。せめてベッド代はカプセルホテル並(3,000円くらい)にならないだろうか。

 確かにブルートレイン離れは進んでいるが、ブルートレインの需要があるのも確かである。帰りの「北斗星4号」で一緒になったおばあちゃんは、寝台車は飛行機や新幹線と比べたらずっと席が広々としているし、何より寝ながら移動できるのが大きいと言っていた。また、大鰐温泉から乗ってきた子どもは、寝台に登ったり降りたりして遊んでいたが、これは寝台車なら度が過ぎなければ許されることで、飛行機や新幹線や高速バスではじ〜っとしていなければならず、子どもには苦痛であろう。子ども連れの家族が使いやすい乗り物でもあり、そういう理由で利用する人も多い。

 ブルートレインがもっと魅力ある列車になり、もっと安く利用できるようになれば、ブルートレイン離れに歯止めがかかるのは確かだと思う。現に、新型客車を利用した「カシオペア」や車内を大きくリニューアルした「北斗星」は切符を取ることができないときも多いほと人気だし、新型車両のサンライズエキスプレス(「瀬戸」と「出雲」)の利用客も多い。

 初めて乗ったブルートレインでそんなことも考えた。


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