
上野から約12時間。ここまで時間がかかると距離を感じる。遠くまで来たと感じるのが僕は楽しい。でも、この旅の最終目的地の納沙布岬はまだまだ彼方である。そう考えると無性にワクワクしてきた。
弘前に着くと、まず観光案内に行って地図をもらい、弘前城への道を聞いてみた。そこの職員は歩くと時間がかるからバスで行くのがいいと言ったが、地図を見ると大した距離ではなさそうだったので、歩いて行った。なんてことはない、15〜20分で弘前城に着いた。ただ、少し強く雨が降ってきたが。
弘前城の天守閣は小じんまりとしている。実戦経験がないから何とも言えないが、堅固そうな城には見えない。ただ、復元されたものではなく建設当時の姿そのままというのは珍しく、また東北地方(北海道も含めて)で天守閣が現在でも建っている城はほとんどなく、希少価値がある城である。
天守閣に入った。例によって地図や模型などでの城についての説明や、昔の武器や服や道具などが飾られていた。最上階(といっても3階なのだが)には、そういったものの他に柱や壁の落書きにも目が行った。
大体それには年が書いてあって、それを見ると20〜30年経ったものが多い。であるから、落書きは過度に目立つことはなく柱や壁に溶け込んでいるようで、20〜3年の歴史を経ていることからも、落書きすら城の一部のように感じた。
また、平成(または1990年)以降の日付が書かれた落書きは見ることができなかった。最近の観光客はマナーが良くなったのか、それとも弘前城に訪れる観光客が激減したのだろうか。
天守閣の小さな窓から岩木山が下半分だけくっきりと見えた。天気が良ければ上まで全部見えたのに、少し悔しかった。ただ、別名津軽富士と呼ばれる美しい姿を想像するのは容易なほど下半分はくっきり見えた。(岩木山の写真)
弘前城と言えば桜であるが、当然9月中頃に咲いているわけがない。弘前の桜のシーズンであるゴールデンウィークに機会があればまた行ってみたい。そして、そのときは美しい岩木山の全体を見ることができれば。
弘前城を一通り見た後、市内を少し散策した。弘前城の南に最勝院という寺があり、そこには立派な五重塔が建っている。弘前城の天守閣より立派だと思う。東北地方に残る歴史的建造物では屈指のものだと思う。ただ、京都や奈良のもののように何百年も前のものではないだろう(せいぜい100年か200年)。(最勝院の五重塔)
その近くに、富田の名水という湧水が出るところがある。日本の名水百選の1つだとか。飲み水用にペットボトルなどで大量に汲んでいく地元住民が何人もいた。僕も、空っぽのペットボトルにその水を汲んで飲んでみたが、水道水よりもかなり軟らかい感じがした。