
札幌から特急「スーパー北斗12号」で函館に向かった。札幌〜千歳線〜室蘭線〜函館線〜函館、というルートは北海道の大動脈。それだけのことあって、「スーパー北斗12号」の車内の席は全て埋まり、立っている客もいるくらいであった。
「スーパー北斗」は新型の汽動車で運行され、札幌・函館間を約3時間で結んでいる。最高時速130km、カーブでも車体を内側に傾けてスピードをそれほど落とさずに走ることができる振子式を採用し、速く走ることに力を入れた汽動車である。振子式は当然普通の列車より揺れる。僕はあまり気にならなかったが、僕の前の席の乗客はよく揺れるから気分が悪くなると小声で言っていた。
列車が進むにつれて、小樽での雨が嘘のように晴れてきて、車窓から入ってくる陽射しが暖かくて心地よかった。しばらくすると、右手に樽前山がくっきりとその独特な姿を覗かせた。右手にご覧いただけますのが樽前山で…、という観光バスのガイドさんの案内のような車内放送が流れた。
このあたりで、札幌駅で買った駅弁に手をつけた。その名は「石狩鮭めし」。1923年(大正12年)からある伝統ある鮭とイクラの親子丼で、すぐに北海道を連想することができるものである。駅弁は味だけではなく、旅情や地域性も楽しめるので、けっこう好きだ。
「スーパー北斗」は、千歳、苫小牧、室蘭などの都市と、登別、洞爺などの観光地を経由する。それだから乗客が多いのだろうか。立ち客がいるほどの車内も、時間が経つにつれて減っていき、洞爺を過ぎると乗客は札幌出発時の半分ほどになってしまい、少し賑やかだった車内は静かになってしまった。 室蘭線は海沿いを走るため、山だけではなく海の景色も楽しめる。天気が良かったこともあるが、広々とした穏やかな海が本当に心地よく思えた。その前日あまり寝付けていなかったこともあり、その心地よさに乗じてウトウトと眠りについた。
目が覚めると、大沼公園の辺りを列車は走っていた。ここは紅葉の時期だと湖のほとりの木々が真っ赤に染まり、さぞかしきれいな景色になるのだなと思い、その時期に機会があったら寄ってみたい場所である。