
函館山から眺めるとよくわかるのだが、函館は扇型をした地形をしている。扇の要にあたるのが函館駅や函館市役所。まさに市の要になるところである。扇の下の方に函館山や函館ドックなどがある。赤レンガ倉庫群や公会堂や教会などの歴史的建造物が集まり、函館の観光スポットになる。扇の開いた方の右側に湯の川温泉、左側に七重浜がある。扇の真ん中に五稜郭がある。
函館駅に着いた後、すぐに市電に乗って五稜郭に向かった。JRに五稜郭駅もあるが、そこからだと2km以上歩かなければならない。市電の五稜郭公園前からだと歩いて10分弱で行くことができる。
市電は路面電車で街の中心部を走っている。北海道に来て始めてゴミゴミしているなと思った。建物は雑然と建っているし、車の量も多かった。北海道一の都市札幌でも整然としていて広々しているなと思ったくらいだった。函館は半島にある都市なので、他の北海道の都市のように広々というわけにはいかないのだろう。
五稜郭は、敷地が独特な星型になっている。もちろん観光客のために見た目上美しくしたからというわけではなく、敵の攻撃を防ぐのに最も合理的な形を突き詰めた結果この形になったのである。中世から近世にかけての西欧の城でもこのような形のものを散見することができ、五稜郭はそれらの城に倣って造られた。
五稜郭は文明開化直前に建設された城であるが、建設直後に箱館戦争で新政府軍の攻撃に遭い、そのため場内には当時の建物は現存していない。ただ木がたくさん植えられているだだっぴろい公園と言えばそれまでだが、そうした中での散歩も悪くはない。また、時期になると桜やツツジなどが咲き乱れるようなので、その時期に行けば普段より余計に楽しめるだろう。
地上からでは五稜郭の独特な形をみることができないので、近接されている五稜郭タワーに登った。ここからは、五稜郭の星型がきっちりと見えるだけではなく、函館市街を一望することもできる。ちょうど赤々とした夕日が七重浜あたりに沈むところであった。街全体が赤く染まっていた。